「悪気はないんだろうけど、ちょっと引っかかる」
「褒めたつもりなのに、なぜか微妙な空気になった……」
そんな経験はありませんか?
昨日、私はある言葉を知りました。マイクロアグレッション。日常のなにげない一言や態度に潜む、小さくて見えにくい「傷つけ」のこと。
悪意はない。むしろ善意のこともある。でも受け取った側は、じわじわと消耗していく。
一つひとつは些細なことにみえても、積み重なると「発言しづらくなる」「挑戦を控えるようになる」という変化が。職場でも、家庭でも。
この記事では、知らずに誰かを傷つけないために、そして自分が傷つけられていることに気づくためにも、マイクロアグレッションの類型と加害者にならないための心構えをまとめました。
そもそもマイクロアグレッションとは?
「マイクロアグレッション」という言葉は、1970年代にハーバード大学の精神科医チェスター・ピアースが提唱した概念で
人種・人種・性別・年齢・障害・国籍などの属性に基づく、日常的で無意識な侮辱・排除・蔑視の表現
のこと。
一回一回は「小さなこと」に見えても、積み重なると深刻な精神的ダメージにつながります。
マイクロアグレッションの4類型
マイクロアグレッションは、大きく4種類に分けられます。
- マイクロアサルト:はっきりNGな発言(意図的な排除)
- マイクロインサルト:無意識に下に見る発言(見下し)
- マイクロエクスクルージョン:関与させない(無視・排除)
- マイクロインバリデーション:気持ちをなかったことにする発言(否定)
この4つを知るだけで、かなり見え方が変わります。
マイクロアサルト
意図的な差別・侮辱。唯一「意識的」に行われる類型(例:差別的なあだ名を使う)
マイクロインサルト
無意識の侮辱・軽視。褒めているつもりのことも多い
マイクロエクスクルージョン
その場にいるのに存在を無視される、排除される経験
マイクロインバリデーション
感じた差別・不快感を「気のせい」と否定・無効化する言動
マイクロアグレッションの事例
マイクロアサルトは意図的な攻撃で比較的わかりやすいものです。
そこで、残り3つの事例をみてみましょう👀
事例1:マイクロインサルト(無意識の見下し)
「女性なのに、すごくロジカルだね」
👉褒めているつもりだが「本来はできないはず」という前提が含まれる
事例2:マイクロエクスクルージョン(無視)
「(外国人スタッフに対して)あ、○○さんはいいや。日本語わかんないだろうから」
👉確認もせず最初から除外する
事例3:マイクロインバリデーション(否定)
「(歴の浅いスタッフに対して)経験ないんだから、そう感じるのは仕方ないよ」
👉意見や感覚を“未熟さ”として片付ける
4つの違いはここ
- マイクロインサルト→前提で下に置く
- マイクロアサルト→はっきり外す
- マイクロエクスクルージョン→存在をスルーする
- マイクロインバリデーション→感じていることを消す
まとめ
事例と似たような言葉を職場で聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?
マイクロアグレッションは、強い言葉よりも「微妙なズレ」として現れます。一つひとつは「小さなトゲ」でも、それが毎日何十回も繰り返されると、相手の心はボロボロに。これを「千回の切り傷(Death by a thousand cuts)」と呼ぶこともあります
研究では、マイクロアグレッションへの継続的な露出が、うつ・不安・PTSS(心的外傷後ストレス症状)と関連することが示されています。すでに別のストレスを抱えた相手には、たった1回のマイクロアグレッションが致命傷になることも
大切なのは、「自分もやってしまう可能性がある」と自覚すること、
そしてもし相手がモヤっとしているように感じたら「そんなつもりじゃない」と否定する前に
「今の言葉、どう聞こえたかな?」と立ち止まってみる。
そんな小さな積み重ねが、優しい世界を作る第一歩になるはずです!
